マイクロソフトの導入事例が特徴的な点を3点解説します。
1.導入事例は「ソリューション」「クラウド」「パートナー」「デバイス」の4本柱であること
マイクロソフトは「ソリューションカンパニー」です。マイクロソフトが提供する「製品・サービス」を組み合わせて、顧客の問題を解決することを目指しています。これは、アップルが、優れたデバイスを開発・提供する「デバイスカンパニー」であるのと対象的です。
マイクロソフトは大きく分けて4タイプの事例を作っています。
1つめは、「ソリューション事例」です。顧客企業の課題をマイクロソフトの製品・サービスを利用して解決した、という事例です。これを、超大手企業から中小企業まで、また自動車・製造・金融・公共・教育など多数の業界に渡り作成しています。対象とする読者は、エンドユーザー企業の情報システム部門やビジネス部門、経営層と推察できます。上記の三菱電機事例が該当します。
当社では、事例作成をお手伝いする企業様に対して、「対象とする企業規模を縦軸に、業界を横軸にとって、この網羅性を意識して事例を作成すべき」とお伝えしています。マイクロソフトのソリューション事例は、まさにこれを圧倒的な数で網羅している印象です。
参考リンク: [質問] 取引先に有名企業がいないが、事例の効果はあるか
2つめは、「クラウド事例」です。マイクロソフトの社運をかけたクラウド事業「Azure」は、すでに売上面でも、利益面でも巨大な柱になるまで成長しました。Azureを使ってクラウドサービスを構築したい企業に特化した事例も多数作成しています。対象となる読者は、エンドユーザー企業の情報システム部門ならび、SaaSやオンラインサービスを提供する開発企業や事業者です。上記のKMS事例が該当します。
3つめは、「パートナー事例」です。マイクロソフトは、開発パートナーを多数育成した「パートナーエコシステム」が成熟している点が強みとなります。よって、パートナー企業がマイクロソフトテクノロジーを使って事業を開始した、という事例が定期的に必要となります。上記のエムオーテックス事例が該当します。
4つめは、「デバイス事例」です。Surfaceシリーズの企業導入事例がメインです。デバイス導入に加えて、マイクロソフトのテクノロジーを併用して、安全かつ高い生産性をアピールしています。上記のNTTコムウェアコムウェア事例が該当します。
2.一般的な構成であること
IT企業の事例で一般的なものは、「会社紹介」「課題紹介」「解決方法の選択」「テスト・導入」「結果・効果・展望」という流れで、「システム構成図」「関わった社員の顔写真」があるものです。
マイクロソフトの事例は、この一般的なIT企業事例フォーマットを踏襲しています。読者からすると、「構成が分かりやすく、必要な情報がカバーされており、読みやすい」印象です。
3.事例作成数が多い
2020年の事例件数を見ると、140本以上の事例が作成されていました。これは、日本中の企業の中で最多レベルで大きいのではないでしょうか。3日に1本以上作っているのは驚異的なペースです。
「ソリューション」「クラウド」「パートナー」「デバイス」のカテゴリーを網羅し、業界や異なる企業サイズごとに事例を作ると、これだけの数になるのでしょう。しかし、圧倒的です。